投稿者 愚民党 日時 2007 年 2 月 14 日 08:02:29: ogcGl0q1DMbpk
(回答先: 副大統領の法廷証言、見送りへ=米CIA裁判 【時事通信】 投稿者 愚民党 日時 2007 年 2 月 14 日 07:48:37)
ダボス会議で講演するディック・チェイニーとは何者?【究極の大陰謀】
投稿者 愚民党 日時 2004 年 1 月 20 日
ブッシュ・ファミリーの周囲に集まる友人や仲間は、ペテン師や人殺しや芯から心のねじ曲がった連中ばかりだ。お互いにさぞ居心地が良いことだろう。そのまたとない好例が「ボヘミアの森」の仲問、ディック・チェイニーだ。フォード政権で大統領首席補佐官、父ブッシュ政権では湾岸戦争時の国防長官を務め、ジョージ・W・ブッシュの下で「テロとの戦争」がおこなわれている現在は副大統領となっている、あのディック・チェイニーである。
キャシー・オブライアンは『悦惚のうちに作り変えられるアメリカ」で、チェイニーから受けた恐るベき経験を語っている。当時のキャシーはイルミナティ=CIAによる精神操作プログラムの犠牲者で、幼い娘ケリーとともに、父ブッシュの国防長官だったチェイニーから性的、暴力的な虐待を受けた。キャシーはチエイニーの指示で麻薬密輸にも何度となく関わり、その様子を詳しく述べている。そのなかに登場するバンダル・ビンスルタンを、チェイニーは「ザ・スルタン」と呼んでいた。
このサウジの駐米大使は骨の髄まで腐敗した男で、ジョージ・ブッシュの操り人形であり、ビンラディン一族にも近く、テロリストに財政支援するハリド・ビンマフフーズなどの仲問でもある。キャシーは、娘とともにチェイニーとブッシュから受け続けた胸の悪くなるような残虐行為の様子を語っている。以下の引用はそのほんの一例だ。
ブッシュはケリーとのセツクスの様子を事細かに話して、小児性愛がどんなものかをチェイニーにわからせようとした。二人とも、薬と期待ですでに性的な興奮状態だった。チェイニーは小児セックスをしない理由をブッシュに説明するのに、白分の男性白身をケリーの前にさらして見せた。「ほら、ごらん」。チェイニーの異常に大きなペニスを見たケリーは恐怖に身を縮めて「いや!」と叫び、それを見た二人は声を立てて笑った。
ケリーを寝室へ連れて行くときブッシュは、コカインの噴霧器を取ってくれとチエイニーに頼んだ。優しいんだな、痛みを感じないように麻癖させてやるのか、とチェイニーが言うと、ブッシュは「馬鹿言え、俺のためだ」。白分が興奮している様子を野卑な言葉で語ったブッシュは、コカインをペニスにスプレーして長続きさせるのだと言った。「ガキのためかと思ったよ」とチェイニーが言った。「嫌がるところが面白いんだ」と言うと、ブッシュはケリーの手を引いて寝室へ向かった。
チェイニーは、ブッシュがケリーをいじめるのはお前のせいだから「(地獄の火で)焼いてやる」と一言って火掻棒で私の内股を焼き、ケリーも火に投げ込むぞと凄んだ。憑かれたように言葉をエスカレートさせてケリーが焼かれる様子を語り、私に深いトラウマを植え付けた。性的虐待を受ける私の耳に、寝室から漏れてくるケリーのすすり泣きが聞こえた。ケリーの声が大きくなると、チェイニーはクラシック音楽をかけた。助けを求めるケリーの声は音楽のなかに沈んでいった。
キャシーは、チェイニーから残酷な殴打を受けたときのことも語っている。キャシーはチェイニーに、トイレに行かせてくれと頼んだ。
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チェイニーの顔は怒りで真っ赤になった。その瞬問私に飛びかかり、背中から壁に叩きつけた。片腕で私の胸を押さえつけ、もう一方の手を私の喉に押し当てた。私は頸動脈を親指で押さえられ、呼吸もできなかった。チェイニーは大きく日を見開き、唾を吐きかけながら唸るように言った。
「何なら殺してやるぞ。お前くらい簡単に殺せるんだ。殺せるんだ。この両手だけでだ。これが最初でもないし、最後でもない。その気になればいつでも殺してやる」。私のうしろにはキャンプ用の簡易ベッドがあった。そこへ私を押し倒すと、チェイニーは怒りをセックスにぶちまけて、果てた。
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これと同じディック・チェイニーが、今はアメリカの副大統領として、「テロとの戦争」に勝利するため空爆と虐殺が必要だと世界に号令をかけているのである。さらに特筆すべきは、その信じがたい偽善者ぶりだ。チェイニーの盟友で小児愛者のブッシュの子、ボーイ・ジョージは二〇〇二年八月、何と「アメリカの子どもを守る」ための構想を発表しているのである。
リチャード.ブルース・チェイニーは一九四一年にネブラスカ州に生まれ、ワイオミング州キャスパーで育った。例によってスカルアンドボーンズ・ソサエティの本拠地である工ール大学の派閥だが、チエイニーの場合は途中で落第し、ワイオミング大学へ進んでやっと政治学の学位を取得している。その後はワシントンヘ出てニクソン政権に入り込むが、そのとき特別補佐官としてついた相手が誰あろう、現在国務長官として「テロとの戦い」を推進するドナルド・ラムズフェルドだった。
当時のラムズフェルドは機会均等局(イルミナティ機関)の初代局長を務めていたが、キッシンジャーの仕組んだウォーターゲート疑惑で一九七四年にニクソンが辞任すると新大統領ジェラルド・フォードの大統領首席補佐官として閣僚入りした。
フォードもやはりキャシー・オブライアンを虐待した一人で、ウォーターゲートのおかげで選挙なしに大統領になったが、有権者の声を聞いていたら絶対に選ばれることはなかったはずだ、これもアメリカに対するクーデターの一例である。フォードの知力はジョージ・W・ブッシュといい勝負で、有名な「歩きながらガムを噛めない」というジョークがまさにぴったりの男だった。
チェイニーはラムズフェルドとともに閣僚入りし、最後は一九七五〜七七年までフォードの首席補佐官を務めた。まだ三〇代半ばだった。最初の心臓発作に見舞われた後(何度か経験している)、ワイオミング州下院議員に当選した。その後も再選を重ね、一九八八年に大統領に当選した父ブッシュから国防長官に任命された。
チェイニーも当然ながら「血族」の一員で、やたらと人を戦場に送りたがる。ただし、白分は絶対に行かない。ベトナム戦争のときも、学生であることと「子どものいる登録者」であることを理由に兵役免除を受けている。大統領のダビャと同様チェイニーも、確認のための上院公聴会では「召集されれば喜んで応召していた」と答えた。まあ、そんなことは絶対なかっただろうが。
一九六四年、チェイニーはリン・アン・ヴィンセントと結婚する。彼女もワシントンの関係者で、一九八六年から九三年まで、レーガン及びブッシュ政権下(実質はどちらもブッシュ政権下)で全米人文科学基金の会長を務めた。後にはアメリカン・エンタープライズ・インスティチュートの上級研究員となり(夫チェイニーも一九九三-九五年まで関わっていた)、一九九八年までの三年問は、CNNのぞっとするような「デイベート」番組『クロスファイアー・サンデー』で共同司会を務めた。
チェイニー夫人は一九九四年から二〇〇一年一月までロッキード・マーティン社の役員だったが、この会杜は当時テキサス州知事だったジヨージ・W・ブッシュが、テキサス州の福祉システム運営のために契約しようとした会杜だった。幸い、州民の反対でこれは実現しなかった。ロッキー-ド・マーティン社の副社長ブルース.ジャクソンは、ブツシュの人統領選挙では財務担当を務めた。
ディック.チェイニーの名を一気に高めたのは一九九一年の湾岸大虐殺で、あのときはイラク市民数万人の大量殺戮が遂行された。その後の経済封鎖を含めれば、現在までの死者は一〇〇万人を越える。当時の政権の顔ぶれは、大統領が父ジヨージ・ブッシュ(現在はカーライル・グループ)、国務長官がジエームズ.ベイカー一カーライル・グループ一、統合参謀本部議長がコリン・パウェルだった。
チェイニーは自分の「防衛」政策について、「アメリカの友人には武器を、潜在的な敵には武器制限を」だと語った。もちろんこれは大嘘だ。実際は「各国には格落ちの武器を売りつけておいて、あとで武装しているから危険だと悪玉に仕立て上げる。こちらはそれを口実に、最新鋭の兵器を使って民問人もろとも吹っ飛ばす」のである。
◎ビッグ.ディックの戦争・破壊・再建の超効率ビッグ・ビジネス
一九九二年の出来レースでブッシュが格下の盟友ビル・クリントンに敗れると、チェイニーは「民間ビジネス」の世界へと転進し、九年後には子ジョージとともにワシントンヘ復帰するという約束で、しはらくは別の方面からイルミナティに奉仕することになった。チェイニーの莫大な富は、モルガン・スタンレー、ユニオン・パシフィック、プロクター・アンド・ギャンブル、エレクトロニック・データー・システムズ一富豪ロス・ペローの会社一といったエリート企業の役員として得たものだが、最も重要なものは、一九九五年から会長兼CEOを務めるハリバートン石油(またもテキサスを本拠とする企業)だ。
ハリバートンは一九一九年の創業で、ブラウン・アンド・ルート社というきわめて重要な子会杜を持つ企茉だ。チェイニーは石油産業での経験は皆無だったが、ハリバートンが会長職を依頼した理由はそんなこととは無関係だ。チェイニーにはもっと他に、ハリバートンのビジネスを拡大していく「才能」があったのである。
チエイニーが国防長官在任中(実はそれ以前と以後も含めてだが)、ブラウン・アンド・ルートはボスニア、ソマリア、ハイチなど戦争のあった地域で、数億ドルの価値のある契約を与えられてきた。内容は、アメリカの空爆や操作で破壊された国土の再建である。同様に一九九九年七月、バルカン半島支援再建会議の肝いりで、バルカン半島の各国政府関係者が、チェイニーのハリバートンーブラウン・アンド・ルートを始めとするアメリカ企業とワシントンで会談し、バルカン半島の占領・経営に必要な財政・政治面での問題が話し合われた。
からくりはこうだ。まず、政治決定をコントロールして、アジエンダに沿うように戦争を始めさせる。次に、関係する国の政府に金を貸し付け、自分たちのところから武器を買わせる。戦争に使う石油も自分たちで供給する。やがて標的とする国が破壊され、国民が大量に死んだところで契約を取りつける。
いわば自分たちで破壊したものを自分たちで再建するのである。チェイニーはハリバートンの最大株主で、所有株の総額は四五五〇万ドルにもなる。さらに役員会にはローレンス・イーグルバーガーがいる。父ジョージ大統領の下で国務長官を務め、現在は悪名高きキッシンジャー・アソシエーツの重役である。
【究極の大陰謀】デーヴィッド・アイク 訳・本多繁邦 三交社
ダボス会議で講演するディック・チェイニーとは何者?(2)【究極の大陰謀】
投稿者 愚民党 日時 2004 年 1 月 21 日
デーヴィッド・アイク 訳・本多繁邦
●ケネディ暗殺にまつわるパーミンディックス社に出資のハリバートン―ブラウン・アンド・ルート
ハリバートン―ブラウン・アンド・ルートが政治家に金を出してビジネスを拡大し、利益を上げてきたのは昔からのことだ。ブラウン・アンド・ルートがトップ企業に上り詰めたのは、リンドン・ジョンソン大統領への政治献金によるもので、両者の関係はジョンソンが上院議員に立候補した一九四八年から始まっている。『オースティン・クロニクル』紙から「ブラウン・アンド・ルートからの侯補者」と呼ばれたほどだ。
ジョンソンのおかげでブラウン・アンド・ルートは政府関係の契約で数十億ドルを稼いだ。そのなかにはベトナム戦争関連のものもあったが、それはケネディ暗殺を受けたジョンソンが方針転換して、アメリカを泥沼の紛争へと引きずり込んでからのものだ。ベトナム戦争中、ジョンソンは自分のパトロン企業に空港、パイプライン、軍事基地などの契約を与えた。
伝記『政治屋リンドン・ジョンソンの生涯とその時代』の著者ロニー・ダガーは、ブラウン・アンド・ルートからの金は大半が現金で支払われたと述べている。「それはまったく腐敗しきった関係で、両者が大きな利益を手にしていた。ブラウン・アンド・ルートは富を得、ジョンソンは権力と富を得たのである」。それ以来まったく同じやり口で、政府からの契約はブラウン・アンド・ルートに流れ続けている。
元ロサンゼルス警察のマイケル・C・ルパートは、ブラウン・アンド・ルートに関する調査で次のように述べている。
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ボスニアから始まってコソボ、チェチェン、ルワンダ、ビルマ、パキスタン、ラオス、ベトナム、インドネシア、イラン、リビア、メキシコ、コロンビアまで、ブラウン・アンド・ルートの業務は伝統的な大規模建設事業から、アメリカ軍への兵站支援の提供にまで拡大している。今では制服から車用車の手配まであらゆるものを備蓄・管理しているのは、アメリカ軍の需品係将校ではなくブラウン・アンド・ルートの倉庫であることのほうが多いだろう。
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ハリバートンとブラウン・アンド・ルートはともに、パーミンデックス社に出資している。今では悪名高いこの企業はイギリス情(諜)報部のフロント機関だ。創業者のカナダ人ルイス・M・ブルームフィールドは、一九六三年ダラス(またしてもテキサス)でのケネディ大統領暗殺にまつわって、陰のネットワークを動かした中心人物だということが証明されている。
パーミンデックスはアメリカ以外でも、ヨーロッパ、メキシコ、中央アメリカ、カリブ海でも殺人部隊を動かしている。ケネディ暗殺に関わって裁判にかけられたのはクレイ・ショーただ一人だが、ニューオリンズの地方検事ジム・ギャリソンは、重要証人が自然死とは思えない理由で次々と死んでいったために、有罪に持ち込むことができなかった。
ショーは第二次大戦ではチャーチルのために働き、ケネディ暗殺時にはパーミンデックスのニューオリンズ部門を任されていたのだった。ケネディ暗殺後、ハリバートンはブラウン・アンド・ルートを買収した。パーミンデックスのコネクションには有名企業、銀行、個人が名を連ねている。ブッシュ・ファミリーもそうだし、カナダのギャング一族ブロンフマンも酒造会杜シーグラムを通じて繋っている。
ハリバートンは一九九八年、チェイニーの助言を入れて、八〇億ドルの契約でドレッサー・インダストリーズを買収・合併し、世界最大の石油採掘会社を作り出した。ついでに言えば、ジョージ・W・ブッシユの祖父プレスコット・ブッシュも、ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの共同経営者という立場で二二年問にわたってドレッサー・インダストリーズの役員を務めている。ヒトラーと優生学運動に資金提供したブラウン・ブラザーズ・ハリマンは、ドレッサーの親会杜だったのである。
あなたは、退屈で死ぬことができます
ドレッサーの社長兼会長を務めるヘンリー・二ール・マロンはプレスコット・ブッシュとはスカルアンドボーンズ仲問で、一九一八年にオクラホマ州フォートシルにあるアパッチ族酋長ジェロニモの墓荒らしに参加したうちの一人だ。マロンらはジェロニモの頭蓋骨を盗み出し、工ール大学にあるスカルアンドボーンズの本部に持ち帰った。どうやら頭蓋骨を持ち出したのはブッシュらで、マロンはこびりついた肉片や頭髪を焼く役だったようだ。父ジョージの息子で、シルバラード貯蓄貸付組合の事件に関わった詐欺師二ール・ブッシュは、ミドルネームを「マロン」という。これはドレッサーの杜長マロンにちなんだものだ。
父ジョージの石油産業でのキャリアはドレッサー・インダストリーズで始まったのである。また、プレスコット・ブッシュとジョージ・ブッシュ、バーバラ・ブツシュの、二人が子どもの頃のジョージ・W.ブッシュを抱いている写真があるが、それはドレツサー・インダストリーズの役員専用機の前で撮ったものだと研究家は見ている。
◎アメリカで五番目の大口政府契約企業(麻薬密諭・組織犯罪に関わるハリパートン)、チェイニーは、まさに濡れ手に粟
チェイニーの持論は小さな政府で、ばらまき行政には反対だ。これは自然、自分(国民)のためではなく他人(チェイニー)のための政治が信条だということになる。ハリバートンは政府契約と納税者が保証するローンから、五年間で最低でもおよそ四〇億ドルを受け取っている。また政府はロシアの石油会社に対し、アメリカ輸出入銀行を通じて四億八九〇〇万ドル分の信用を保証しているが、これもブラウン・アンド一ルートを通ってハリバートンの利益となっている。
ロシアとアメリカの情報源や文書によれば、この石油会社は麻薬密輸と組織犯罪に関係しているという。チェイニーが引き継ぐまで、ハリバートンのアメリカ国防総省との取引は年問三億ドルほどだった。国防長官を辞めたチエイニーがやってくると、政府契約は六億五〇〇〇万ドルに跳ね上がったと『ボルテイモア・サン』紙は報じている。輸出入銀行と海外民問投資公社による融資と保証についても同様で、それまでは五年問で一億ドルだったものが、チェイニーがトップに座ってからは一五億ドル以上にもなった。
政治的な支援と融資保証の見返りに、チェイニー以後のハリバートンは選挙の候補者や政党に多額の献金をしている。ロビィ活動の予算も倍増で、それまでは年間三〇万ドルだったものが、チエイニーが舵取りをするようになってからは六〇万ドルになっている。ハリバートンは、アメリカから各国への海外「援助」からも利益を得ている。援助を受ける国がハリバートンと契約するからだ。
『ロサンゼルスタイムズ』が入手した国務総省文書を見ると、ハリバートンがアジアやアフリカで大きな契約を取れるよう、アメリカの政府関係者が援助していることがわかる。まさにイルミナティ家系やその代理人どものやり方だ。まずはイルミナティの単一政党国家を通じて政府の意思決定をコントロールし、次にハリバートンやカーライル・グループのような企業を動かして、その政府決定や政策から甘い汁を吸うのである。この方法が取れるからこそ、チエイニー以後のハリバートンは急速にビジネスを拡大し、アメリカで五番目の大口政府契約企業になれたのであり、当然、「テロとの戦争」のような紛争があれば膨大な利益を得ることになる。
ハリバートンは世界一三〇カ国で活動を展開し、アメリカ最大の組合のない企業となっている。二〇〇〇年夏にボーイ・ジョージとともに大統領選挙に出馬するに当たり、チェイニーが三四〇〇万ドルもの「退職金」をもらったのもうなずける。これ以外にもチェイニーは、それまでの五年問の年俸二二〇万ドルに加え、ボーナス数百万ドルと約四五〇〇万ドル相当の自社株購入権を受け取り、さらにハリバートンの持ち株一〇万株の売却利益五一〇万ドルを手にしている。さらに「退職金」には、向こう三年以内に「付与」予定のストックオプション四〇万株が含まれている。
これはつまり、この期間にハリバートンの株価が上がれば上がるほど副大統領が儲かるということであり、石油産業が政府方針に大きく依存することになる。二〇〇二年六月十日付『ボルティモア・サン』は、ハリバートンが不正会計で証券取引委員会の調査を受けていると伝えた。この調査の背後には、エンロンやワールドコムの会計事務所アーサー・アンダーセン・グループが推奨する「積極的会計慣行」があると言われていて、収人一億ドルが未受領のまま計上された疑いが持たれている。
◎チェイニーとハリバートン、テロリスト独裁国家との取引で大儲け
チェイニー以後のハリバートンは、世界最悪のテロリスト独裁国家のいくつかと緊密な繋りを持っている。チェイニーは「建設的な取り組み」という言葉を使い、そうした国々と関わってアメリカ的価値観を伝えていくのだと言う。大きなお世話だ。歴代の米英政府の価値観は、テロリスト独裁国家の価値観と瓜二つだ。チェイニーには「価値観」など何の関係もない。そもそもチェイニーには価値観など何もなく、富と権力が手に入ってイルミナティのアジェンダを推進できるなら、何としても誰とでも手を組むのだ。
ディック・チェイニーが国防長官だった一九九一年の湾岸大虐殺は、サダム・フセインが標的だったことになっている。しかしチェイニーとハリバートンは一九九八年以降、そのサダム・フセインのイラクとの取引で大儲けしている。ロンドンの『フィナンシャル・タイムズ」は、チェイニーが二三八○万ドル相当の契約を監督していると報じた。この契約は「石油産業」のテクノロジーとサービスをイラクに売却するもので、チェイニーはハリバートンとの関係を隠すため、フランス、イタリア、ドイツ、オーストリアにあるハリバートンの子会社を利用した。特に使われたのはドレッサー・ランド社とインガソル・ドレッサー・ポンプ社で、両社の契約を合わせると、アメリカ企業の対イラクビジネスでは最大となる。
『インターナショナル・ヘラルド・トリビューン』紙は、「ハリバートンが売却したジョイントベンチャー企業であるドレッサー・ランド社とインガソル・ドレッサー・ポンプ社は、国連による「石油と食料の交換」計画の下でのイラク石油産業再建のための契約に基づいて、イラク国内で活動してきた」と報じた。『トリビューン』の記事ではハリバートンの広報担当が、ドレッサーの子会社がヨーロッパの代理店を通じてイラクに石油ポンプ設備を売却したことを認めている。
つまり、当時の国防長官ディック・チェイニーが国防総省から指令を出して空爆を実施し、それで破壊されたイラクの石油インフラを再建する段になって、再建援助の契約を結んだのがハリバートン・グループだったという、驚くべき図式なのである。しかも同時にチエイニーは、イラクに対する経済制裁を指示して、これまでに一〇〇万人の子どもを死に追いやっているのだ(こちらの「建設的取り組み」はどうなったのだろう)。
石油カルテルはアメリカ=イルミナティの「石油と食料の交換」計画によって、イラクが産出する安価な原油から膨大な利益を得ている。数多いイルミナティのフロント企業やフロントマンは、経済封鎖によってイラクの子どもを毎月数千人ずつ殺しながら、その一方でイラクを始めとする残酷な独裁国家との契約から利益を得ているのである。
元CIA長官ジョン・ドイッチュが役員を務める全米第二の石油サービス企業シュルンベルジェ杜も、やはり子会社を通じてイラクと取引がある。ハリバートンは、国務省のテロリスト国家リストに入っているイラン、リビアとも契約を結んでいる。ハリバートンの子会社ブラウン・アンド・ルートは、リビアに対する経済封鎖に違反したとして罰金一二八○万ドルの支払いを命じられた。
チエイニーは、二〇〇〇年の大統領選挙を扱ったABCテレビの「ディス・ウィーク』という番組で、たまたま会長時代のハリバートンとイラクとの取引について質問され、嘘をついた。以下は、軽くその話題を出した司会者のサム・ドナルドソンとのやり取りである。
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ドナルドソン 間違っていたら訂正していただきたいのですが、ハリバートンは十会杜を通じてイラクと取引しようとしていたと聞いているのですが、本当でしょうか。
チェイニー とんでもない。イラクとは一切関係を持たないという強い方針でいました。違法と雛われるようなことも絶対にしていません。
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火のないところに煙は立たずというが、これは爆弾のような情報だ。それなのにゴア陣営はこの問題を取り上げなかった。白分たちも同じビジネスにどっぷりと浸かっていたからである。
●ビルマでの「人道に対する犯罪」もハリバートンは免罪、石油バイプライン建設を強行
さまざまな圧力団体が暴露してきたことだが、チェイニー会長時代のハリバートンは、ビルマのパイプライン建設に関わることで、残虐な軍事独裁政権を支援していた。公表された数多くの報告を見ると、ハリバートンのビジネスパートナーにイギリスのアルフレッド・マカルピン社が含まれている。『大いなる秘密」などを読んだ方には、マカルピン家の紹介は不要だろう。ワシントンに本部を置く人権団体「地球の権利インターナショナル」が、ビルマの二つのパイプライン計画のことでチェイニー時代のハリバートンを非難している。
この二つのパイプライン建設では、レイプ、殺人、年季奉公による無償労働、村単位での強制移住など、人道に対する犯罪が数々おこなわれた。ビルマ(ミャンマー)の政権は国連総会、国際労働機関(ILO)、アムネスティ・インターナショナル、ヨーロッパ連合(EU)、アメリカ政府から一貫した非難を受けていて、アメリカは大使を召還した上、経済封鎖まで実施している。ところがおかしなことに、この経済封鎖に関する法律では、ハリバートンの活動だけは対象外なのである。
「地球の権利」の人権弁護士ケイティー・レドフォードは、「ハリバートンのビジネスパートナーや子会社は、ディック・チエイニーがCEOとなる前および任期中を通じてのパイプライン計画の契約者です。その建設丁事がビルマでの人道に対する犯罪に繋っているのです」と語っている。ILOも、ビルマの軍事政権は「国際的犯罪」で有罪であると同時に、おそらくは強制的な児童労働力の利用によって「人道に対する犯罪」でも有罪であるとしている。
虐待、殺害され、ビルマ軍によって故郷を追われた人々は数万人にのぼる。数千人が拷問を受け、今では監獄は政治犯でいっぱいだという。またビルマ車事政権は、世界有数のヘロイン製造、密輸茉者でもある。しかしディック・チェイニーにとって、そんなことは少しも問題にならない。いやむしろ、よけいに関わりたい理由になる。
ハリパートン以外にも石油パイプラインに関してビルマのテロリストと仕事をしている企業はある。その一つがユノカル(ユニオン・オイル・オヴ・カリフォルニア)で、これは、アフガニスタン縦断パイプラインを計画し、その実現のためにタリバンを排除しなければならないと言っていた会社だ。
チェイニーは、この世界有数の圧政を敷く政権と、どんな障害を乗り越えてでもビジネスをしようと考えた。そこで利用したのが、ビルマヘの投資制限に反対するロビィ団体「USAエンゲージ」である。またチエイニーは全米対外貿易評議会の評議員も務めていて、こちらからも連邦最高裁に圧力をかけ、ビルマとの取引企業にペナルティーを課したマサチューセッツ州法に違憲判決を出させた。つまり自分の計画の都合次第で、たとえ抑圧的なテロリスト政権に対する経済封鎖であっても反対するし、事情が変われば、イラクやアフガニスタンでのように大空襲で数千人もの市民を殺すことにも賛成するのである。
ハリバートン社はビルマとの関わりを否定し、それを隠そうとしたことすらないと言っている。だが事実は違う。『ウォールストリート・ジャーナル』記者ピーター・ウォルドマンは、ハリバートンが一九九六年十二月の記者会見でアジアとヨーロッパでの大口契約者を発表し、その「サクセスストーリー」を吹聴したとき、その年の最大の契約者についてまったく触れていなかった点を指摘している。もちろんビルマのことだ。
ハリバートンの広報担当は、ビルマでの契約はハリバートンの子会杜ヨーロピアン・マリーン杜によるものだが、発表から漏れた理由は確認できないと語った。何なら私が教えてやろうか? また一九九七年のヨーロピアン・マリーンは約七七パーセントの人幅増益があって、この年はビルマでの作業が大半完了した年だったのだが、これについてもハリバートンの広報担当は説明を拒否した。これも私が代わりに答えてやろうかと思う。
ハリバートンの契約はほとんどが沖合パイプラインの作業に関するもので、同社はビルマ人やビルマ軍部との契約は一切ないと言っている。しかし、これはまったくの嘘だ。国連人権委員会のビルマ特別報告官ラジスーマーニフラ判事(モーリシャス)による一九九六年の報告で、沖合での作茉についてもビルマ国民に強制労働が課せられたことが明らかになっている。ララ氏によると一九九五年、軍の命令で村人二〇〇人がアンダマン海の無人島ハインツェ島へ送られている。ハインツェ島にはビルマ軍の手で、沖合パイプラインの建設作業を護衛するためのべースキャンプが設置されていたということだ。ピーター・ウォルドマンは『ウォールストリート・ジャーナル』でこう語っている。
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ハインツェ島でララ判事が見たものは、二週問の無償労働を強制され、地ならしをし、竹製の兵舎を建て、急な丘の上にヘリポートを作る村人の姿だった。ヘリポートはパイプラインを建設する欧米企業が後で使うものだろう、とビルマの人権監視員は言う。ララ判事の報告では、村人の島への移動費用も自己負担で、拒否すると逮捕され、叛乱軍のいる地域に送られて軍の荷役夫をさせられるということだ。
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◎まだまだ続くチェイニー=ハリバートンの人権侵害・環境破壊なる悪行
ビルマは一例に過ぎない。チェイニー=ハリバートンが取引している怪しげなテロリスト政権のリストは恐ろしく長い。人権活動家らはアルジェリア、アンゴラ、ボスニア、クロアチア、ハイチ、イラン、イラク、ルワンダ、ソマリア、インドネシア、リビア、ナイジェリアについても、ハリバートンの役割を指摘する。ロシアでは、ハリバートンのビジネスパートナーであるチュメン石油が、大規模な詐欺によってシベリア油田の支配権を獲得したとして非難されている。
インドネシアでは、政府の調査でハリバートンの契約が賄賂によって不正に獲得したものだったことが発覚し、契約解除になった。これは「地球の権利」が暴露したことだ。インドネシアのある企業監視組織によれば、ハリバートンの工学部門であるケロッグ・ブラウン・アンド・ルート社は、スハルト元大統領一族との「談合、賄賂、縁者優先の慣習」を利用している(同様の企業は合計五九社にのぼるという)。悪徳不正の独裁者スハルトも、イルミナティ所有の巨大企業の利益に奉仕させるために英米の情(諜)報部が権力の座に就かせた男だ。
フロリダ州のトップの体重減少
デーヴィッド・アイク 訳・本多繁邦 【究極の大陰謀】三交社
ダボス会議で講演するディック・チェイニーとは何者?(3) 【究極の大陰謀】
投稿者 愚民党 日時 2004 年 1 月 22 日
デーヴィッド・アイク 訳・本多繁邦 【究極の大陰謀】三交社
現在のインドネシアが世界有数の労働搾取工場となっているのはこれが理由で、人々は雀の涙ほどの賃金でとんでもない長時問労働を強いられ、赤貧にあえいでいる。有名な衣類やスポーツウェアのメーカーは、インドネシアでただ同然で作った製品を西欧諾国で高価格で販売して膨大な利益を上げている。そしてそれを「グローバリゼーション」とか「自由貿易」などと呼んでいるのである。
ナイジェリアでのハリバートンはシェル石油やシェヴロン石油とともに活動している。どちらも大規模な人権侵害や環境破壌に関わっている企業だ(ブリティッシュ・ペトロリアム、エッソ、デユポン、フランスのERAP社、テキサコ、トータルなどもナイジエリアに利権がある)チェィニー=ハリバートンがナイジェリアヘの関わりを強めたのは、軍事独裁政権が環境運動家数名を処刑し、石油産業に対する抗議を暴力的に抑圧するようになってからだ。ナイジェリア警察機動部隊は抗議参加者一名を射殺したが、ハリバートンはこれに関わっていたとして非難を浴びた。
またニューヨークに本部を置く圧力団体「ヒューマンライツ・ウォッチ」が明らかにしたところでは、兵士がシェヴロンのヘリコプターとシェヴロンの船を使い、オピァとイケニアンという小村(いずれもデルタ州)を襲撃している。少なくとも四人が殺され、村人の大半が家を焼かれた。現在も五〇名以上が行方不明だという。《九・一一》の一カ月後にテキサコと合併したシェヴロンはこの事件について、同社の掘削装置をめぐって地元の若者と兵士との間に対立があり、そこから派生した「反撃」だったと主張した。地元民は、そのような対立はなかったと言っている。
現在ブッシュ―チェイニー政権で大統領補佐官(国家安全保障担当)を務めるコンドリーザニフイスは一九九一年からシェヴロンの役貝を務め、重役会では公共政策を担当していた。シェヴロン社にはライスの名を冠したタンカーまである。長年の仲問であるジョージ・W・ブッシュと合流するまでのライスは、カスピ海地域に手つかずで眠る膨大な埋蔵石油への投資交渉に関わっていた。大統領補佐官になってからは「テロとの戦争」に深く関わり、タリバン政権を排除して、アフガニスタンを縦断する石油天然ガスのパイプライン敷設に道を開いた。このパイプラインこそは、カスピ海に眠る膨大な埋蔵石油や大然ガスを取り出すために計画されたものだったのである。
◎すべては埋蔵量世界第三位のカスピ海石油奪取のため。パイプライン支配はどこが?
《九・一一》と「テロとの戦争」の理由一実は数ある理由の一つ一を理解するためには、まずカスピ海地域の膨大な埋蔵石油天然ガスについてのイルミナティの計画を理解しておかなければならない。チェイニー-ハリハートンはカザフスタン、アゼルバイジャン、イランと大きなヒジネス取引があるが、どの国もアフガニスタンと同様に、車娑な位置を占めている。
専門家によれば、カスピ海地域の石油天然ガス埋蔵量は、中束地域、シベリアに次ぐ杜界第二位ということだ。この地域は、イルミナティのフロントマンであるミハイル・ゴルバチョフによって旧ソ連が崩壊させられて以来、ずっと石油カルテルとその政治的代理人たちの第一ターゲットとなっている。
『サンフランシスコ・クロニクル」紙の推定では、確認されたものと算定されたものを合わせたこの地域の埋蔵量は原油八○○○億バレル以上、さらに同量の天然ガスが見込まれるという。一方、南北アメリカとヨーロッパの石油埋蔵量は、三大陸を合わせても一六〇〇億バレル以下だと考えられている。カスピ海油田で最大のものはカザフスタンとアゼルバイジャンにある(どちらもハリバートンの顧客リストに入っている。またチェイニーはカザフスタンの石油開発諮問会議メンバーでもある)。またこの二国と比べれば少量だが、グルジア、ウズベキスタン、トルクメニスタン、アルメニアにも相当な量の埋蔵石油がある。
この石油の価値を一九九〇年代の平均価格から算定すると、どう少なく見積もっても五兆ドルにはなる。この地域にアメリカは、「テロとの戦争」という名目で軍隊を駐留させているのである。本当の理由は、埋蔵された石油天然ガスと、それを市場に運ぶためのパイプラインの支配を確保するためだ。
米国務省副次官補(エネルギー・経済封鎖・商品担当)のウィリアム・ラムゼーは、カスピ海の原油は「向こう二五年問の世界のエネルギーバランスにおいて決定的に重要」だと述べ、「コーカサス地方からカスピ海を越えて走る新シルクロードのアウトラインのようなものはすでに存在している。石油天然ガスのパイプライン、道路、鉄道、光ファイバーによって、二一世紀のシルクロードはヨーロッパと中央アジアを結ぶスーパーハイウェイになるだろう」と語った。
バルカン半島での作られた戦争でも大きな死と苦しみがもたらされたが、あれもある面では同じ理由―カスピ海地域からの石油―から起こされた戦争だった。米下院外交委員会アジア太平洋小委員会のダグ・ベルーター委員長は、この地域でのアメリカの政策的目標は新国家を「独立」させて西側に結びつけることであり、それによってロシアによる石油天然ガスの輸送ルート独占を打ち破ること、イランを通過しない東西パイプラインの建設を奨励し、中央アジア経済に対するイランの危険な支配を終わらせることだと確認している。研究家のジョージ・ドラファンは、カスピ海石油をめぐる争いについての記事で以下のように述べている。
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一九九五年のデイトン合意はNATOの大規模な軍事作戦によるボスニア=ヘルツェゴヴィナの「平定」へと繋った。NATOに協力する多国籍企業にとって最も重要な見返りの一つは、バルカン半島を横切ってカスピ海地域からヨーロッパヘと石油を運ぶパイプラインの建設だろう。
EU、アメリカ政府、および一群の多国籍企業(BPアモコ、エクソン、ユノカル、キャタピラー、ハリバートンーブラウン・アンド・ルート、三菱)は利用可能なあらゆる軍事的、政治的、経済的手段を用いて東南ヨーロッパのインフラと経済を破壊し、それを自分たちのイメージに合わせて再建しようとしている。政府関係者と企業重役との争いは、エゴむき出しの恥知らずなものだ。
ユーゴスラヴィアでの最近のNATOの軍事行動は、バルカン半島支配のための長きにわたる戦略的一経済的一な戦いの一部である。現在の焦点は、カスピ海の油田からヨーロッパの消費者へ石油天然ガスを運ぶためのパイプライン・ルートの確保だ。米英、ヨーロツパ、ロシアの多国籍石油企業は、カザフスタンと数十億ドル規模の契約を結ぼうとしている。
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これには当然、チェイニーのハリバートンも含まれているし、「平和維持」作戦のためにボスニアに駐留するアメリカ軍のキャンプはすべて、ハリバートンの最大子会社ブラウン・アンド・ルートが建設、運営している。カスピ海からカザフスタンにかけての埋蔵石油開発を手がけるカスピァン・パイプライン・コンソーシアム(CPC)は、コ� �ドリーザ・ライスのシェヴロン・テキサコが中心で、BPアモコ、エクソン.モービル、ユノカルも同じように餌に群がっている。
各社ともアゼルバイジャン、カザフスタン、トルクメニスタンから石油にアクセスしようとしている。この三国とともにカスピ海を囲んでいるのがロシアとイランで、ロシアはカスピ海から北へ向かってパイプラインを建設し、自国領から黒海へ繋ごうとしている。ロシアの軍事行動はチェチェンやアルカイダのテロ活動に対応するためのものだとプーチン大統領は主張しているが、ロシア軍は「偶然にも」パイプライン建設計画のある地域にばかり展開している。
プーチンは元KGBの局員で、連邦安全保障局(FSB)の元長官だ。あらゆる発言は頭から信用せず、実際の行動に照らしてみなければならない。こうした埋蔵石油天然ガスの支配や利権をめぐる狂ったような争いを見れば、中東地域全体とカスピ海地域を股にかけたさまざまな紛争やテロ活動が繋ってきて、意味のある全体像が掴めるようになる。作家のマイケル・グリフィンは『悪事の償い」で、アフガニスタンでタリバンが権力を握ったのも、「たった一つの黄金のテーマ」に結びつけることができるとし、それはチェチエン、ナゴルノカラバフ、アブハジア、トルコのクルド人地域でも同じだと言っている。
どれも明確な、計算された行動であり、その時々で決定的に重要なものだった。究極的にどの国がパイプラインの主になるのかを見極めるのである。このパイプラインは今世紀のいつかの時点で、カスピ海盆地からエネルギーに飢えた世界へと石油天然ガスを運ぶことになるだろう。
■石油合弁企業体ところ変われど顔ぶれは同じ
◎父ブツシュ、アルアモウディ、ビンマフフーズ、スコウクロフト
石油カルテルは政治家やその仲問とぐるで、権力と利益を最大にするために動いている。その一例がアゼルバイジャン国際操業会社(AIOC)だ。これはアゼルバイジャン公営の石油会社にペンズオイル(ブッシュ家)、ユノカル、エクソン、イギリスのBPアモコとラムコ・ハザール、ルークオイル一ロシア一、ステートオイル一ノルウェー一、トルコ石油一トルコ)、伊藤忠一日本一、デルタ・ニミル・ハザル一サウジアラビア一が共同出資した合弁企業体だ。
注目は、プロジエクトの中心であるペンズオイルである。これは一九六三年に父ジョージ・ブッシュのザパタ石油がペンオイルを買収してできた会社で、カーライル・グループでのブッシュの同僚ジェームズ・ベイカーが率いる法律事務所、ベイカー・アンド・ボッツが法律関係を処理している。後にビジネス.ジャーナリストのトマス・ペッツィンガーが『ウォールストリート・ジャーナル』で、「二五年間というもの、ペンズオイルの社内法律部門はベイカー・アンド・ボッツとほとんど見分けがつかなかった」と述べている。
AIOCでのペンズオイルのパートナー、デルタ・ニミルを動かしているのはおなじみの名前、モハマッド.フセイン・アルアモウディとハリド・ビンマフフーズだ。どちらも「オサマ・ビンラディンの」アルカイダと財政面から繋っている。ビンマフフーズはジョージ・W・ブッシュの石油会社にも、父ジ
ョージのカーライル・グループにも出資した。
それ以外にビンマフフーズとアルアモウディ、およびアメリカの主要巨人石油企業のビジネスパートナーとしては、マフフーズ一族のニミル石油(シェヴロンニアキサコと取引があり、一五億バレルの埋蔵量があると言われるカザフスタン油旧の大規模開発を進めている)や、アルアモウディ一族のデルタ石油(アメルダ・ヘスと提携し、アゼルバイジャンの油田開発を進めている)がある。デルタ・ヘスはまた別のコンソーシアムを作っていて、アゼルバイジャンからトルコまで二四億ドルをかけて石油パイプラインを建設しようとしている。
アメリカとサウジが牛耳るAIOCでは、アメリカの元大統領補佐官(国家安全保障担当)で今はキッシンジャー・アソシェーツの重役を務め、父ジョージ・ブッシュともきわめて近いブレント・スコウクロフトが役員を務めている。このコンソーシアムの計画には、カスピ海に臨むバクーからアゼルバイジャンとグルジアを横切って地中海に面したトルコの港ジェイハンまで、総延長一六〇〇キロにおよぶパイプラインの建設が含まれていて、その費用は三〇億ドルと見積もられている。
トルコなどがクルド人居住地域を攻撃し、またトルコ軍が大規模に展開しているのも、石油がその主な理由だ(もちろん麻薬もある)。トルコはすでにクルド人数千人を殺害し、数千もの村々を破壊して、数百万もの難民を生み出している。《九・一一》の恐怖は、英米が軍を派遣するための口実を与えた。
カスピ海石油とパイプライン計画の支配権を確保する上で必要欠くべからざる地域に軍を派遣でき、しかも「国防」費や「安全保障」費を一気に増額できるからだ。本章の執筆中、ブッシュ大統領は国防予算を四八○億ドル増額して三七九〇億ドルにすることを発表し、アメリカ国民の安全を守るためならいくらでも使うと発言した。
一ドルの金もない、貧しく飢えた者のことはどう考えているのだろう。国防予算の大増額は、アメリカ人を守ることとは何の関係もない。すべてはブッシュ白身の利益を守るため、彼らに金を出して操っている連中の利益を守るため、そして自らが奉仕する地球規模での超長期的人類奴隷化計画を推進するためのものだ。
◎アゼルバイジャン、ウズベキスタン、バルカン恐怖との取引はブレジンスキー戦略
豊富な石油を抱え、パイプライン建設の上からも重要なカスピ海地域の国々は、人権に関してはぞっとするような記録を持っている。アゼルバイジャンもそうだ。山岳地域ナゴルノカラバフでおこなわれたアルメニア人に対する民族浄化は、アメリカによる経済封鎖と対外援助の禁止に繋った。これは一九九二年白由支援法の第九〇七項によって法制化されている。
チエイニーはこの条項を廃止して、アゼルバイジャンで操業する石油カルテルヘの資金提供を解禁するように圧力をかけている。また、イランなどに対する経済封鎖にっいても解除するよう、ロビィ活動を継続している。自分が受け持つイルミナティの石油計画を容易にするためだ。チェイニーはAIOCのために、アゼルバイジャン―トルコ問のパイプラインにっいてもロビィ活動を展開している。
ロビィ活動の仲問には、ジェームズ・ベイカー(父ブッシュの国務長官で石油企業の弁護士で、カーライル・グループの役員)、ズビグニュー・ブレジンスキー(ジミー・カーターの国家安全保障担当大統領補佐官でイルミナティ機関「三極委員会」の創設者)、ロイド・ベンツェン(元米国財務長官)、ジョン・スヌーヌ一父ジョージのホワイトハウス首席補佐官)、ティム・エッガー(元英国エネルギー相で現在はイギリスのモニュメント石油CE〇)、マルコム・リフキンド一元英国外務大臣で、現在はイギリスの石油企業ラムコの重役一などがいる。おっと忘れてはいけない、元米国空軍少将で父ジョージのイラン=コントラ事件に関わったリチャード・セコードもいた。セコードは現在、アゼルバイジャン
軍の訓練を手伝っ� �いる。
ペンズオイル、ユノカル、アモコ、エクソンは、一九九七年までに五〇億ドルをアゼルバイジャンに投資しているが、すでに何度も見たとおり、人々を力で支配して、石油カルテルの支配に楯突かないように押さえ込むというのが、彼らの常套手段だ。その点ビジネスにとって都合がいいのは従順な独裁政権だが、私はこれに「民主国家」も含めたい。
現在のアゼルバイジャン政府は、これまで述べた米英によるカスピ海地域乗っ取りに奉仕していて、そのために港、鉄道、国営航空、空港などの国営事業を、「海外投資家」向けに払い下げている。これは、今バルカン半島で起こっていることとまったく同じパターンだ。
状態の発作
作られた戦争の後に据えられた政府が主だった国家資産をイルミナティ企業に払い下げ、「再建」のための契約を与えるのである。バルカン地域でのそうした契約額は、推定三〇〇億ポンドにのぼっている。そして金が(納税者の金が)、世界銀行と国際通貨基金(IMF)による「再建」と「援助」のために使われる。このどちらも一〇〇パーセントのイルミナティ機関だ。またそうした金の大半は、結局は同じ企業に流れる。
この悪魔の二大組織が金を出すプロジエクトがビジネス上の利益を得るためのもので、地元の人々のためのものではないのも、これが理由だ。NATOは、世界車とは名ばかりで、実態はイルミナティの企業カルテルが標的とする国を脅して空爆し、屈服させるための手段にすぎない。そうして今言ったプロセスが展開していく。バルカン半島を外国の軍隊が占領している真の理由はこれなのだ。
この戦略を推進したのはズビグニュー・ブレジンスキーだ。三極委員会の創設者でイルミナティの大物インサイダーであるブレジンスキーは、一九九七年の著書「ブレジンスキーの世界はこう動く 二一世紀の地政戦略ゲーム』で、ウズベキスタンを押さえることがカスピ海地域と埋蔵石油天然ガスの支配の鍵だと述べている。
アメリカが長年にわたってウズベキスタンに「軍事顧問」を送っているのはこれが理由で、この「支援」は「テロとの戦争」が始まってから一層強化されている。アメリカがこの地域を支配する必要性についてブレジンスキーは、「帝国の戦略地政学に必須の条件が三つある。すなわち封臣問の共謀と安全保障上の相互依存を防ぐこと、属国を従順かつ保護された状態に保つこと、未開人を団結させないことである」と述べている。これは、「分断して統治せよ」と言ったた方がよほどすっきりすると思う。
また作家ニコラス・レマンは『ニューヨーカー』誌で、一九八九年のソヴィェト崩壊後にディック・チェイニーがあるグループを作り、一九九〇年代およびそれ以降の戦略を作製させたことを暴露した。
このグループには、現在の国防長官ドナルド・ラムズフェルド、国防副長官ポール・ウォルフォウィッツ、国務長官コリン・パウエル、副大統領首席補佐官ルイス・「スクーター」・リビィがいた。
目的は世界を自分たちの望むイメージに合わせて「形作る」こと、同グループのザルメイ・カリザードの言葉を借りれば、「不確定な将来において世界規模での新たなライバルの出現を事前に排除する」ことだった。レマンは、チェイニー・グループがまとめた文書「一九九〇年代の国防戦略地域防衛戦略一九九三年一月 国防長官ティック・チェイニー」を見せられたという。この一九九三年一月、ビル・クリントンが大統領に就任して、チェイニーと父ブッシュはホワイトハウスを去った。
しかし一九九〇年代の初めに計画されたこの「戦略」こそは、今まさにブッシュ―チェイニー政権が実行しているものだ。現在の政府には、この文書をまとめた中心メンバーがそろっている。「テロとの戦争」が《九.一一》に対応したものだって? 聞いただけでも吹き出してしまう。それは奴らが言っ
ているだけのことだ。
デーヴィッド・アイク 訳・本多繁邦 【究極の大陰謀】三交社
ダボス会議で講演するディック・チェイニーとは何者? (4-結) 【究極の大陰謀】
投稿者 愚民党 日時 2004 年 1 月 23 日
デーヴィッド・アイク 訳・本多繁邦 【究極の大陰謀】三交社
◎ユノカルのアフガニスタン縦断パイプラインにハリバートンが貢献
ここまでのことを踏まえて、アフガニスタンとユノカルにもどろう。テキサスに本社を置くユノカルは、天然ガスと原油の開発および生産では世界トップクラスの巨大企業だ。同じくテキサスを本拠とするチェイニーのハリバートン社とは、何度となく共同プロジェクトを組んでいる。ビルマのパイプラインもその一つで、チェイニーが一九九八年に付帯被害に関する会議(ワシントンの「シンクタンク」であるカトー研究所が主催)で発言したように、「わが杜のビジネスの七〇〜七五パーセントはエネルギー関係で、ユノカル、エクソン、シエル、シェヴロン他、世界の大手石油企業の多くを顧客とし、奉仕している」のである。
ハリバートンもユノカルもブツシュ・ファミリーとは腐れ縁で繋っているし、その点ではシェヴロン、シェル、エクソンも同様だ。一九九七年十月、ユノカルはアルゼンチンのブリダス石油と争い、これに勝って二〇億ドルの契約をトルクメニスタンと結び、国際共同事業体セントガス(セントラル・アジア・ガス)杜を設立した。
この巨大パイプラインはアフガニスタン西部を七五〇キロにわたって横切るもので、完成すれば、世界最大とも言われるトルクメニスタンの膨大な埋蔵天然ガスを、アラビア海に面したパキスタンの工場や港へと結ぶはずだった(パキスタンも「西側」すなわちイルミナティが操る軍事独裁国家だ)。石油用のパイプラインも計画され、インドまでの延長も検討されていた。
ところが何ともすてきなことに、その同じ月一一九九七年十月一の二十七日、チェイニーのハリバートン社がプレスリリースで、ペトロナス・カリガリ(トルクメニスタン)社からの同意書が届き、一九九七年末からカスピ海地域での開発および評価プログラムに三〇〇〇万ドル相当の統合掘削サービスを提供すると発表したのである。
「ハリバートンは、同盟パートナーであるドレツサー・インダストリーズ社およびウェスタン・アトラス社とともに、一〇の合同サービスを提供します。……ハリバートンは技術サービスの提供に加え、主たる契約者であり、プロジェクト・マネジャーをも務めます。契約額はプロジェクト全体でおよそ三〇〇〇万米ドルです」。これは問違いなく、ユノカルのアフガニスタン縦断パイプラインにハリバートンが貢献していたということだ。
●タリバンとの蜜月時代、ユノカル利権に群がる
◎カルザイ、キッシンジャー、アレグザンダー・ヘイグ、もちろんチェイニー……
トルクメニスタンの独裁者であるニヤゾフ大統領はアフガニスタン縦断パイプラインにっいて、タリバン政権からも反タリバン勢力からも支援の約束を取りっけていたと言っている。トルクメニスタン政府の公式交渉担当ヨセフ・マイマンはイスラェル情報部(モサド)の「元」メンバーだった(モサドもトツプレベルではCIAやイギリス情(諜)報部などと同じ組織だ)。
タリバンは、実現すれば年間一億ドルの収人が得られるこのパイプライン計画に大乗気だったが、ユノカルがプロジェクトを成功させるためには、米国務省が公式にタリバン政府を承認する必要があった。
タリバンは一九九六年、かってはソ連を排除するために(CIAの支援を受けて)戦ったムジャヒディン各派を倒し、彼らとしては日常的な、極端な暴力によって政権を握った。前大統領ナジブラを殺して睾丸を抜き、弟とともに死体を大統領宮殿入り口の信号機から吊すことまでした。
一九九六年九月にタリバンがカブールを制圧した翌日、米国務省のグリン・デーヴィス報道官は、タリバンが厳格な解釈のイスラム法を施行することにっいて、アメリカは「何ら反対するものではない」と語った。ユノカルと提携各社は、大物を雇ってタリバンとの取引ができるように圧力をかけた。
名前を挙げれば、ヘンリー・キッシンジャー(元国務長官で四〇年にわたるイルミナティの大物操作者)、ロバート・オークリー(レーガン―ブッシュ政権時代の駐パキスタン大使)、ザルマイ・カリルザード(アフガニスタン生まれでレーガン―ブッシュ時代のアフガン問題担当補佐官)などである。後にジョージ・W・ブッシュからもアフガニスタン特使に任命されたカリルザードは、元ユノカルの顧問で、パイプライン計画に関わっていた男だ。
ジャーナリストで風刺漫画家のテッド・ロールによると、レーガン政権時代のカリルザードは、ソ連占領下のアフガニスタンで(CIAから資金援助された)ムジャヒディーンヘの武器供与を担当していたということだ。
この時期にアメリカ政府の金を使って作られたのがオサマ・ビンラディンのネットワークで、それが最終的にタリバンの政権奪取に繋っていった。カリルザードは一九九〇年代初めのディック・チェイニーによる「戦略グループ」にも参加していて、アメリカの優位性に対抗する勢力の登場を防ぐことは「決定的に重要」であり、「必要なら武力の使用も辞さない」と主張していた。
《九・一一》を受けた「テロとの戦争」でタリバンが除かれた後、アフガニスタン新政府の長に選ばれたのはハミード・カルザイという男だが、フランスの『ル・モンド』紙によれば、この男も元顧問なのである―そう、ユノカルの!
ロバート・オークリーは駐ソマリア大使と駐ザイール大使も経験し、レーガン―ブッシュの下では反テロリズムの責任者を務め、ソ連占領時代(一九七九〜一九八九年一のアフガニスタンでは、政府関係者として、CIAからの資金をオサマ・ビンラディンを含めたアフガニスタンの抵抗勢力に確実に届ける役割を果たした。後にはビンマフフーズ一族やアルアモウディ一族(オサマ・ビンラディンの資金提供者でブッシュ・ファミリーの仲間)が共同で運営するデルタ・ニミル社でも働いている。
テルタ・ニミルはアフガニスタンのパイプライン計画ではユノカルのビジネスパートナーで、先に述べたように、ユノカルとともにすでにアゼルバイジャン油田に多額の投資をしていた。オークリーとカリルザードは、ユノカル・コンソーシアムのために働くと同時に、米国務省にも助言をしていた。
さらにもう一人、一九九〇年代初めにトルクメニスタン政府のための「助言」とロビィ活動を目的に雇われた男がいる。マルタ島騎士団の秘儀を受けた男で、レーガン―ブッシュ政権の元国務長官で、元NATO車司令官で、一時はヘンリー・キッシンジャーの軍事顧問も務めた男、アレグザンダー・ヘイグである。
ユノカルはタリバンにファクス機を与えて連絡のスピードアップをはかり、ネブラスカ人学を通じた業務研修プログラムに資金提供して、タリバンの地盤であるカンダハールで、パイプラインで働く人員を訓練させた。さらに一九九七年十二月初めにはタリバン関係者をアメリカヘ送り込み、テキサス州シュガーランドにある本社で数日問、スターのようなもてなしをした(シュガーランドはブッシュ・ファミリーの活動拠点であるヒューストンにある)。
滞在期問中はワシントンで国務省関係者とも会談させたが、このときは、タリバンがテロリストを支援していることは話題にならなかったし、オサマ・ビンラディンの身柄引き渡しも一切触れられなかった。代わりにユノカルは、「分け前にっいて気前のいい提案をした」とジャーナリストのジョン・ピルジャーは述べている。このとき、ディック.・チェイニーはテキサスにあるハリバートンの本社にいた。
ハリバートンは、ユノカルとタリバンのパイプライン計画から莫大な利益を得ることになっていた。
◎見捨てられたタリバン、バイプラインはユノカルに、費用は納税者に
ユノカルの取引がっぶれた理由はいくっかあるが、最も大きかったのは、タリバンによる信じがたい女性虐待と基本的人権を無視した行動に、女性団体の怒りが爆発したことだった。アメリカの女性団体はユノカルに対する抗議行動を組織するようになり、ロサンゼルスのフェミニスト・マジョリティー財団はカリフォルニア州政府に、タリバンとの取引を認めた認可を取り消すよう求める請願書を提出した。タリバン政権が承認されることは不可能となった。
その後一九九八年になって、ケニアとタンザニアのアメリカ大使館爆破事件が起こり、アメリカ人一二人を含む二二四人が死亡した。オサマ・ビンラディンがこの非道行為の犯人とされ、クリントン大統領は犯人をかくまっていると言われたアフガニスタンとスーダン国内の標的への攻撃を命じた。クリントンは併せてオサマ・ビンラディンの資産を(この段階で)凍結し、アメリカ企業がビンラディンと取引することを禁止した。きっとブッシュ・ファミリーは海外へでも出かけていて、このことを知らなかったのだろう。
こうした展開を受けて計画は潰れ、一九九八年十二月四日、ユノカルはパイプラインの契約から手を引いた。ユノカルの外交問題担当副社長ジョン・J・マレスカは米下院外交委員会で、パイプライン計画にとって「アフガニスタンのタリバン政権は障害です。パイプライン建設は、国際的に承認された政府がカブールに成立し、各国政府、融資企業、そしてわが社の信頼が得られない限り、開始することはできません」と述べた。
《九・一一》後を見れば、まさにそのとおりのことが起こり、今やアフガニスタン縦断パイプラインが建設されようとしている。もちろんまったくの「偶然」だから、何も心配することはないのだろう。アフガニスタンのエネルギー情勢に関して二〇〇〇年十二月にアメリカ政府が発表した概況報告書に、以下のように書かれている。
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エネルギーの視点から見たアフガニスタンの重要性は、中央アジアからアラビア海まで石油天然ガスを運ぶ上での、潜在的運搬ルートとしての地理的な位置から発している。この潜在ルートには、数十億ドルと言われるアフガニスタン縦断石油天然ガス輸出パイプラインの計画が含まれるが、こうした計画には現在、深刻な疑問が投げかけられている。
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しかし《九・一一》と、タリバンのことなど忘れたような空爆のおかげで、この深刻な疑問も長くは続かなかったようだ。この侵略を命じたブッシュ政権には、副大統領になったディック・チェイニーも含まれている。二〇〇二年五月、ユノカルの(と言ってもいいだろう)ハミード・カルザイが議長を務める暫定政府の商工業相モハマド・アラムニフジムがパイプライン建設の計画を発表し、「中心企業」はユノカルだと言った。
BBCによれば、パイプラインは「アフガニスタン再建のためのドナー国からの資金」による建設が期待されていると伝えた。言い換えれば、アフガニスタン侵略では武器を売り込んで財産を築いた連中が、こんどはパイプラインの費用を納税者に肩代わりさせるということだ(いや失礼、「貧しいアフガニスタンの人々を助けて国土再建を進めるための援助」だった)。
ラジムによる発表の前にBBCは、ある「石油問題の専門家」が、アフガニスタンにおける「テロとの戦争」は結局は石油のためであるという考えを否定したと伝えている。まったく、こんなふうに学者が世界で現実に起こっていることを理解して、その優れた洞察を学生たちに伝えてくれているのを聞くというのは、心の休まるものだ。
ダンディー大学で石油政策と経済学を教えるポール・スティーヴンズ教授によれば、「パキスタンまで天然ガスを運ぶためのパイプラインが議論されているが、それは現在のことが起こるずっと以前に、政治的経済的な安定性の問題から、放棄されている。したがって、石油が現在の戦争を起こしているという考えはまったく非現実的である。月面のパイプラインでも考えた方がはるかにまともなくらい」なのだそうだ。この文章を見ると、スティーヴンズ教授なら本当に月にでも移住しかねない。さぞ快適なところなのだろう。
「ハリバートンの子会社ブ一フウン・アンド・ルートは◎ブッシュ―チェイニー麻薬帝国の一大構成要素」
たとえごく基本的なことだけでもブッシュ・ファミリーとその手先のネットワークについて調査した経験のある人なら、必ず麻薬コネクションを探すはずだ。それほどに、世界的な麻薬カルテルとブッシュ・ファミリーの関わりは深い。というわけで、ここではブッシュの長年の仲問であり、受益者でもあるディック・チェイニー副大統領について見てみよう。
マイケル・C・ルパートは元ロサンゼルス警察署の捜査官で、組織犯罪情報課に勤務したこともあり、現在は『フロム・ザ・ウィルダネス』という優れたニューズレターを作製している。なかでも「ハリバートン社のブラウン・アンド・ルート ブッシュ―チェイニー麻薬帝国の一大構成要素」と題する二〇〇〇年十月二十四□の記事は、ハリバートンの子会社ブラウン・アンド・ルートがブッシュ―チェイニーの麻薬帝国で果たしている役割に光を当てたものだ。
この企業はアメリカの軍部や各情(諜)報機関、さらにボスニア、コソボ、マケドニアなどを含めた世界中での作戦に深く関わっていて、世界一〇〇カ国以上に二万人の従業員を抱えている。コソボ解放軍(KLA)はCIAが後押しした作戦で、一つには、米英が支配するNATOがセルビアとコソボを爆撃、侵略したときの口実に使われた。もちろんあれも、麻薬と石油パイプラインに関してイルミナティの利益を守るための行動だった。
『クリスチャン・サイェンス・モニター」や『ジェーンズ・インテリジェンス・レヴユー』によれば、西ヨーロッパに流れ込むヘロインの七〇パーセントはKLAが支配しているという。一方ブラウン・アンド・ルートは、同地域でのアメリカ政府の補給・支援に関する契約で数十億ドルの利益を得た。この契約は現在も続いている。
驚くのは、ブラウン・アンド・ルートが政府のために活動している場所が、政府機関による麻薬密輸がおこなわれている場所と、つねに、見事に一致することだ。この点を明らかにした調査報道NPO「センター・オブ・パブリック・インテグリティ」(CPI)は、ディック・チエイニーが会長だった
一九九五年から二〇〇〇年にかけてのハリバートンの財政的成功に麻薬の金が含まれていたこと、それが特に子会社ブラウン・アンド・ルートによるものであることを示唆している。さらに例の、海外でのブラウン・アンド・ルートの契約に対してアメリカの各政府機関から与えられる「融資」がある。マイケル・C・ルパートは言う。
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この融資は輸出入銀行と海外民間投資公社によって与えられる。ラルフ・マクギー(CIAT作員)の発行する『CIAべ-ス』によれば、どちらの機関もCIA局員が深く浸透していて、役員には日常的にNOC(非公式の護衛)がつくという。ロシアの金融銀行コングロマリット「アルファ・グループ」へのある融資の例では、チュメン石油が所有するシベリア油田の設備改装契約を請け負ったブラウン・アンド・ルートに、二億九二〇〇万ドルが支払われた。
アルファ・グループは一九九八年にチュメン石油の五一パーセント取得を完了したが、これは不正入札が疑われている。またロシア政府の公式報告では、アルファ・グループを寡頭支配するミハイル・フリードマンとピョートル・アーヴエンに「東南アジアからロシア経由でヨーロッパヘ流れる麻薬の運搬に関わった疑い」がかけられている。
さらにこの二人には、ロシアのギャングであるソルンツエヴォ・ファミリーとの関係で、ヘロイン密輸の疑いもある。その同じフリードマンとアーヴェンが(アメリカ政府の)融資を申し込み、ハリバートン社のロビィ活動によって融資が確保された。その結果、アルファ・チュメン油田でのブラウン・アンド・ルートの活動が継続、拡張されることになった。
(CPIの)記事は、アルファ・グループ内に組織犯罪に関わる連中がいて、彼らが詐欺で油田を掠め取ったと述べた上で、FSB(ロシアのFBIに相当)の公式報告、BPアモコ等の石油各社やCIA,KGBの元幹部の言葉、新聞記事などを引用し、確かにアルファ・チュメンとヘロイン運搬に繋りがあることを確認した。一九九五年には、アルファ・グループ企業であるアルファ・エコ石油の借り上げた鉄道用コンテナから砂糖に見せかけた袋詰めヘロインが盗まれ、シベリアの町ハバロフスクで売りさばかれた。このときは多くの住民が「酔う」か「毒にあたる」かして問題となった。
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さらにCPIの記事によると、ロシアFSBの報告書に、ヘロイン盗難事件から数日以内に内務省のエージェントがアルファ・エコ社の各建物を捜査し、麻薬およびその他の「信用に関わる文書」を発見したということを伝えている。またこれも系列のアルファバンクも、ロシアやカンボジアの麻薬カルテルからの麻薬資金をマネーロンダリングしていると言われている。
CPIによると、ワシントンでロシア・チュメン石油の法律事務を担当しているのはジェームズ・C.ラングドン.ジュニアといって、所属は「エイキン・ガンプ・ストラウス・ハウアー・アンド.フェルド」だ。これは先に明らかにしたとおり、オサマ・ビンラディンに資金提供しているハリド・ビンマフフーズやモハマッド・フセイン・アルアモウディを顧客とする、あの「エイキン・ガンプ・ストラウス・ハウアー・アンド・フエルド」だ。
他にエイキン・ガンプの顧客には、テキサスに本拠を置く「救済と開発のためのホーリィランド財団」があり、こちらはパレスチナのテロリスト集団ハマスとの関係を疑われて捜査を受け、米財務省から資産を凍結されている。エイキン・ガンプは、BCCIに「捜査」が入っていた間もビンマフフーズにサービスを提供していた。エイキン・ガンプで最も名の知られているのは、ビル.クリントンの仲間でありモニカ・ルウィンスキーの友人でもあったヴァーノン・ジョーダンだろう。
この法律事務所には、ブッシュ・ファミリーと関係のある連中がごろごろしている。CPIの記事はチェイニー―ハリバートン―ブラウン・アンド・ルートにまつわる麻薬コネクションを明らかにするとともに、エイキン・ガンプの弁護士ジエームズ・Cニフングドン・ジュニアが「(ジョージ・W)ブッ
シュのために二二〇万ドルの資金を集められる人物を斡旋した。……さらにその後、ワシントンで弁護士とロビィスト一〇〇人を雇うこと、ダビャの選挙資金として一人二万五〇〇〇ドルずつ集めさせることにも同意した」と述べている。まったく、何という繋りだ。
◎マイケル・C・ルパートの体験―ClA、ロス警察、イ一フン王家、マフィア、麻薬
マイケル・ルパートは、政府とブラウン・アンド・ルートと麻薬に関する自身の体験も語っている。ロサンゼルス警察の捜査官だった一九七七年のことだ。ルパートはこの年の六月、ノルディカ・シオドーラ・ドーセイ、通称「テディ」との関係を修復するためにニューオリンズヘ向かった。テディはCIAの契約局員だったが、突然姿を消していた。ルパートはテディから、ロサンゼルス警察の内部から自分の作戦に参加してほしいと頼まれていたが、「それまでも麻薬に関係するものは全部断っていた。テディの言うことはどれもこれもヘロインかコカインがらみに思えた。銃の国外持ち出しは日常的にやっていたようだった」。
その当時のCIA長官はといえば―父ジヨージ・ブッシュだ。ルパートは、テディの「仕事」がCIA、ロサンゼルス警察、イラン王家、マフィア、そして麻薬と関係していることはわかっていたという。ルパートがニューオリンズのグレタにあるテディのアパートヘ行ってみると、「電話は盗聴防止装置付で、暗視装置が置いてあった。仕事は、近くのベルチャッス海軍航空隊基地の海軍や空軍兵が届ける厳封の指令書に従っていた」。
テディは「何か本当にやばいこと」に関わっていた、とルパートは書いているが、その内容は、大量の兵器をイラン向けの船に積み込む手配をしたり、地元マフィアのボス、カルロス・マルチェロの仲問と船の便を調整して、ニューオリンズに大量のヘロインを荷揚げすることだった。船はマルチェロが押さえる埠頭に到着した。そこでは「ニューオリンズ警察を心配することもなく、私は運転手軍関係者、元グリーンベレーやCIA局員などを紹介された」。
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そうした船は、メキシコ湾の海底油田採掘現場からヘロインを積み込んで来ていた。どれも公海上の海底油田で、建設と運営はブラウン・アンド・ルートだった。テディの言っていた銃器は、たぶんベトナム時代に作られて過剰になったAK四七とM一六だったろう。これを積み込む船も、ブラウン・アンド・ルートが所有するか借り受けるかしたものだった。ニューオリンズで過ごした八日間のうちには、何度かブラウン.アンド・ルートの社員とレストランで会った。数日中に船に乗り込んでイランまで行くと言っていたが、バーを出るときにまずい質問をしてしまったようで、脅しに一発撃たれたことがあった。
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自分の見たものに嫌悪感を抱いたルパートは、カリフォルニアヘ戻ると、ブラウン・アンド・ルートのコネクションも含めたあらいざらいをロサンゼルス警察に報告した。その結果、生命の危険を感じるようになり、一九七八年末には退職を余儀なくされた。ルパートはロサンゼルス警察の内務課とFBIのロサンゼルス支局に不服申請をした。当時のFBIロサンゼルス支局長テッド・ガンダーソンは、ずっと後になって、「陰謀暴露」運動に加わっている。ルパートは弁護士と相談の上、政治家、司法省、CIAに手紙を送り、『ロサンゼルスタイムズ』と接触した。
FBIとロサンゼルス警察は、ルパートを狂人扱いした(どこかで聞いたような話だ)。一九八一年、ロサンゼルスの『ヘラルド・エグザミナー』紙が二部構成の記事を掲載し、FBIが「テディ」を拘束したこと、しかしそれ以上は何もせずに解放したことを暴露した。元ニューオリンズ犯罪委員会のアーロン・コーエンは同紙で、ルイジアナ州での組織犯罪活動を三〇年間研究した経験から見てルパートの語る内容は「いかにもありそうなこと」と述べた。
ルパートによれば、彼の不服申し立ての結果、CIAのある報告書が今でも機密扱いになっていて、「国家安全保障上の利益に関する大統領行政命令に従い、またCIAエージェントの正体暴露に繋るという理由から」公開対象から除外されているという。一九九七年十月一日付で米上院情報選択委員会に提出されたルパートの証言文書は、
ルパートは一九八一年十月二十六日、ニューオリンズで見たことを、友人でカリフォルニア大学のクラスメートだったクレイグ・フラーに話したと言っている。フラーは一九八一年から一九八五年までレーガンの内閣担当大統領補佐官だったので、話した場所はホワイトハウスの西側ウィングだった。ルパートは、ニューオリンズで見たことの詳しい背景が後になってわかったと語っている。
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私はニューオリンズで見たものを理解しようとパズルのピースを探し求めていたが、一九八二年に、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス分校)の政治学教授ポール・ジャバーがその多くを与えてくれた。ポールはカーター政権下でCIAと国務省の顧問をしていたので、それだけの資格はあった。
ポールの説明では、一九七五年にイラン国王はサダム・フセインとアルジェ協定を結び、それまで公然とおこなっていたイラク北部のクルド人叛乱軍への軍事援助をすべて打ち切った。その見返りにイランは、シャト・アル・アラブ運河東側の領有権を得て、石油輸出と収人の増加をはかった。クルド人地域の長年にわたる人切な資産を失いたくないCIAは、ブラウン・アンド・ルートを利用した。イラン、イラク両国で活動し、ペルシャ湾及びシャト・アル・アラブ河の港湾施設を管理していた同社を使って、クルド人を再武装させようとしたのだ。作戦の費用はすべてヘロインでまかなわれた。ポールは事務的な態度だった。一九八三年、ポール・ジャバーはUCLAを退職し、バンカーズ・トラストの副社長及び、外交問題評議� �の中東部門議長に就任した。
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マイケル・ルパートの話は、一九九一年以来の私の全面的な調査とも符合する。ルパートの述べたような例は世界中で、数限りなく起こっている。それはイルミナティの政府と企業と組織犯罪が、すべて互いに繋っているからだ。「重要機関、人物、そしてブッシュ・ファミリーそのものとの関係から見て、ジョージ・W・ブッシュ政権下のブッシュ・ファミリーとその仲間たちは、ブラウン・アンド・ルートを活動上の媒介装置として大いに利用し、メデジンからモスクワまで、あらゆる麻薬取引を支配するこ
ともできるだろう」とルパートは言う。
一九九五年から二〇〇〇年にかけてブラウン・アンド・ルートを動かしていたのは、突き詰めて言えばディック・チェイニーだった。それまでのコロンビアではなきに等しい存在だったブラウン・アンド・ルートが一九九七年になって突然、倉庫用に一〇〇万平方メートル近い土地を取得した。過去の経験から見て、「その場所から目を離すな」というのが最良のアドバイスだろう。コロンビアについて、人々の知らない何を彼らは知っているのだろう。
ブッシュ―アメリカ政府による麻薬活動で最も明瞭なものは、すでに述べた一九八○年代のイラン=コントラ事件だ。このときの中心人物はオリヴァー・ノースだった。キャシー・オブライアンは『悦惚のうちに作り変えられるアメリカ』で、数々の麻薬パーティーに出席したと書いているが、オリヴァー・ノースもゲストの一人だったと述べている。下院情報委員会のメンバーだったチェイニーは、イラン=コントラ事件でのノースの働きを熱心に弁護し、一九九四年にはヴァージニァ州の上院議員選挙でノースを支援した。ノースが当選しなかったのは幸いだった。
ここまで、ディック・チェイニーの吐き気を催すような背景について述べてきた。チェイニーは父ジョージとともに、ブッシュ大統領の玉座の背後から、直接権力をふるっている。仮にボーイ・ジョージが仕組まれた「テロ攻撃」で暗殺されても、私は少しも驚かない。それは、PRSによって「テロとの戦争」の可能性を著しく高めるためのものだ。何と言ってもスカルアンドボーンズ・ソサェティでのボーイ・ジョージの暗号名は「一時会員」であり、そうなったときに大統領になるのは、ディック・チェイニーなのだから。
デーヴィッド・アイク 訳・本多繁邦 【究極の大陰謀】三交社
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