1.障害者とは?
‐ 障害者
‐ 身体障害者
‐ 知的障害者
‐ 精神障害者
2.精神障害者の症状は?
3.うつ病とは?
4.統合失調症とは?
5.PTSDとは?
6.治療法はありますか?治療には時間はかかりますか?
7.受診や相談はどこに?
8.通院費は3割?
9.精神障害者福祉手帳とは?
10.社会的入院とは?
1.障害者とは?
現行の法律では、一口に「障害者」を定義したものはなく、「身体障害」「知的障害」「精神障害」について、それぞれ「身体障害者福祉法」「知的障害者福祉法」「精神保健福祉法」で、規定しています。
障害者の雇用に関しては「障害者雇用促進法」で、それぞれ以下のように規定されています。
●障害者
「障害者」は、「身体障害、知的障害又は精神障害があるため、長期にわたり、職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難な者をいう」とされています。 つまり、障害の種類を問わず、職業生活上の困難を抱えている、すべての種類の障害者が、この法律の対象となります。
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●身体障害者
「身体障害者」は、視覚障害、聴覚・言語障害、肢体不自由、内部障害がある人をいいます。具体的には、身体障害者障害程度等級表の1〜6級までの人、および7級に掲げる障害が2以上重複している人をいいます。 そのうち1〜2級に該当する人、または3級に該当する障害を2以上重複していることで2級とされる人は「重度身体障害者」とされます。「重度身体障害者」の雇用率の算定にあたっては、1人を2人の障害者とみなすことができるなどの特別措置が取られています。 身体障害者であることの確認は「身体障害者手帳」の所持、または規定の診断書によってなされます。
●知的障害者
「知的障害者」は「障害者のうち、知的な障害をもつ者であって厚生労働省令で定める者」をいいます。
そのうち「重度知的障害者」は「知的障害者のうち、知的障害の程度が重い者であって厚生労働省令で定める者」をいい、「重度知的障害者」も雇用率の算定にあたっては、1人を2人の障害者とみなすことができるなどの特別措置が取られています。
知的障害者であることの確認は「療育手帳」の所持、または知的障害者判定機関が交付する判定書によってなされます。
●精神障害者
「精神障害者」とは、「精神障害がある者であって、厚生労働省令で定める者」とされています。 この「厚生労働省令で定める者」とは、「精神保健福祉法の定めにより精神障害者保健福祉手帳を交付されている者」、または「統合失調症、躁鬱病またはてんかんにかかっている者」で「症状が安定し就労が可能な状態にある者」のことをいいます。 なお、精神障害については、雇用率の算定にかかわる「重度障害」の規定はありません。
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2.精神障害者の症状は?
・毎日のように、ほとんど1日中ずっと気分が沈んでいる。
・毎晩のように寝付けない。途中で何度も目がさめてしまう。
・毎日のように疲れを感じたり、気力がわかない。
・毎日のように、食欲が低下、体重減少が激しい。
・何となく不安で、イライラする。
・人とできれば会いたくない、話したくない。
・この世から消えてしまいたいと思うことがある。
・自分をコントロールできず、気が狂ってしまいそうな恐怖におそわれる。
・このままでは死んでしまうという恐怖を感じる。
・冷や汗をかいたり、全身のふるえが起きる。 息切れや息苦しさを感じる。
・物事を考えていても考えがまとまらなくなる。
・実際には見えないものが見えたり、聞こえないことが聞こえる。
など、生活する上で支障をきたすことがあります。
3.うつ病とは?
うつ病には、さまざまなデータがあります。たとえば、生涯のうちに1度はうつ病にかかる人の割合で考えると、10パーセントから20パーセントにもなる、と言われています。つまり、5人に1人から10人に1人という割合です。
「うつ病は心のカゼ」という言葉も、それだけありふれた病気だという意味でなら、まさにそのとおりだと言えるでしょう。
しかし、カゼと比べると、うつ病は、長い治療期間が必要となります。重くなると、仕事や学業など、社会生活に与える影響も比べものにならないくらい大きくなります。
さらにうつ病には、もっとも重い症状である「自殺」があります。適切な治療を行わないと、10人に1人は自殺してしまう、という統計値もあります。
「うつ病は心のカゼ」とは言っても、適切な治療がもっとも必要な病気の1つだと考えるべきでしょう。 精神医療は、日進月歩です。以前は治りにくかった1部のうつ病でも、治療成績がかなり良くなってきました。うつ病患者の80パーセントは、1年以内にほぼ発病前の状態に戻ることができます。
また、およそ半数の人が陥ると言われていた「再発」(再燃)についても、さまざまな治療を併用することで、かなり防げるようになってきています。
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4.統合失調症とは?
統合失調症とは、10代から40代くらいまでの比較的若い世代に起きやすく、約100人に1人の割合でかかる病気です。
症状には個人差がありますが、主な症状として、実際には存在しない声や音が聞こえる幻聴やあり得ないことを信じ込んでしまう妄想、頭の中が混乱して考えがまとまらなくなる思考障害、興奮症状等があり、これらはまとめて陽性症状と呼ばれます。
また意欲の低下や自閉傾向(閉じこもりがちなこと)など、エネルギーが無くなったような状態になることも多く、これらは陰性症状と呼ばれます。
このような症状をともなって、多くは20歳前後に発病します。しかし幻覚や妄想は、本人にとって全くの現実と感じられるため、発病を自覚できないことがあります。本人より先に家族や友人が異変に気づくことも多いようです。
原因ははっきりしていませんが、その人の生まれ持った素質、生まれてからの能力・ストレスに対する対応力、ストレスを引き起こすような環境要件などが絡み合って発症します。
脳内には神経伝達物質と呼ばれる物質が存在し、その量の異常も関係していると考えられています。 治療は、薬物療法、精神科リハビリテーション等があります。
薬物療法では、抗精神病薬という、神経伝達物質の量を調整する薬を用います。薬の進歩は目覚しく、最近の抗精神病薬は幻覚や妄想を取り去るだけでなく、従来の薬では難しかった陰性症状の改善にも効果があります。
精神科リハビリテーションとは、その名の通り精神の不調をリハビリすることです。症状によって仕事や学校等の社会生活ができなくなっていることも多いので、集団でスポーツやゲーム、対人交流の練習等を行って社会復帰の訓練をします。
治療法の進歩によって、適切な治療の継続により、その症状を相当程度安定化させ、軽快又は寛解することができます。
5.PTSDとは?
Post Traumatic Stress Disorder(心的外傷後ストレス障害)。
強烈なトラウマ体験(心的外傷)がストレス源(ストレッサー)になり、心身に支障を来し、社会生活にも影響を及ぼすストレス障害。アメリカでベトナム戦争後の帰還兵の問題行動が社会問題になったときに、その原因として強烈なストレス体験がトラウマとなりそれらが、精神的な障害として行動に現れたとして議論された神経症。
6.治療法はありますか?・治療には時間がかかりますか?
病気(疾患)によっても違います。医療機関等によっても違いますが、まず薬物療法でお薬の調整を行い、ご本人に合った精神療法、リハビリテーションとして集団精神療法・作業療法・SST(生活技能訓練)などで病気やストレスへの対処方法を学び、環境調整も含めて行います。病気と付き合っていく方法やストレスに対処できる強い心の状態にしていくのが治療の流れです。
治療期間についても病気(疾患)や症状によっても期間は違ってきますが、精神疾患の場合は、糖尿病や高血圧のような慢性疾患と考えるといいと思いますが、お薬の調整を行いながら、生活環境を整えながら生活していきます。治療には、外来治療と入院治療がありますが、入院治療についても現在は殆どが3ヶ月未満の短期入院が治療の基本となっています。退院後の生活環境においての外来治療が大切になってきます。
7.受診や相談はどこに?
医療機関であれば、精神科・神経科・心療内科等のある病院やクリニック(医院)に受診(相談)するのがいいでしょう。精神科等の場合、ほとんどが予約診療となっています。まず電話等で予約を取りましょう。その他、行政(保健所等)で精神保健相談事業を行っているところもありますし、その地域の医療機関・相談機関等を教えてくれます。
8.通院費は3割?
障害者自立支援法施行に伴い、平成18年4月1日から自立支援医療(精神通院医療)が実施されています。精神疾患の治療のために医療機関に通院する場合に、医療費の自己負担分の一部を公費で負担する制度です。所得の低い人には月あたりの負担額に上限を設定しています。自治体によっても独自の補助を行っているところもあります。(入院医療費は対象になりません)
9.精神障害者保健福祉手帳とは?
精神障害者の社会参加の促進・自立を図ることを目的として作られた手帳です。税制上の優遇措置、県や市の施設の利用料の減免などを受ける際に利用できます。
10.社会的入院とは?
精神科特有の言葉です。本来の治療が必要のない方が、社会の受け入れがなく、何十年も病院に入院されています。長期間の入院により、社会性や生活習慣が衰えるなどの恐れもあります。
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