2012年6月1日金曜日

家庭でできる応急処置|窒息の応急処置|フクダ電子株式会社


いざというとき家庭でできる応急処置

窒息による不慮の事故死は年間8,000件以上起こっており、乳幼児と高齢者に多く発生します。空気の通り道である気道が数分間閉塞されるだけで死に至る可能性が非常に高くなるため、救急車を呼ぶ前や救急車が到着するまでの間の、身近にいる方による迅速で適切な応急手当がとても大切となります。
この機会にその予防や応急手当について是非知っておきましょう。
窒息の最初の症状は咳き込むことですが、激しく咳き込むため助けを呼べない場合もあり、のどのあたりを両手でかきむしるような動作をしていることもあります。重症となると甲高い音やいびきのような音を出していることもあり、けいれん発作を起こしたり、意識がなくなったりすることもあります。

※「国民衛生の動向」より

予防

乳幼児で窒息が起こりやすいのは、臼歯がなく食べ物を噛んですりつぶすことができなかったり、食べるときに遊んだり泣いたりするなどのためで、高齢者では摂食・嚥下(食べ物を口から食道を経て胃に送る)機能が低下しているため、ご飯やパンなど粘りのある食べ物などを噛み砕きにくく、大きな塊のままのどに入って窒息に至ることなどが原因となります。
また、義歯や薬の包装容器による誤嚥事故の報告もあります。このような特性を考慮して、窒息に遭わないための環境整備・安全管理をまず心掛けましょう!


シカゴの頭痛クリニック

乳幼児の場合

  • 誤って気管支に入りやすいピーナッツなどの豆類は3歳頃までは食べさせない。
  • 仰向けに寝た状態や、歩きながら、遊びながら食べ物を食べさせない。
  • 食べ物を口に入れたままの会話、テレビを見ながらの食事を控える。
  • 小さな食べ物を放り上げて口で受けるような食べ方はさせない。

高齢者の場合

高齢者では唾液の分泌が少なく、咀嚼機能が低下するので以下のような食物形態については小さなひと口サイズとしたり、食べやすく調理したり工夫して下さい。

  • 粘りのあるもの(もちなど)
  • パサパサしたもの(パン、ふかし芋など)
  • 加熱してもやわらかくなりにくいもの(いか、たこ、きのこ類など)
  • 硬いもの(ナッツ類など)
  • 繊維性が強く厚みのないもの(海草、レタスなど)

また、口の中の乾燥、歯の喪失なども咀嚼機能の低下につながるので、食事の際には、お茶や水などで口の中を湿らせ、水分をとりながら食べるとともに、歯周病予防や義歯の調整などにも心掛けましょう。

応急手当

窒息と判断した場合や、窒息が疑われる場合はただちに応援と救急車要請を依頼して、応急手当を行って下さい。咳をしている場合は、強い咳き込みで異物が排出される場合もあるので、咳をしやすいような姿勢にさせて注意深く観察します。しかし、悪化して咳ができなくなるようであれば、すぐに異物の除去が必要となります。


分離不安、児童心理学

窒息(成人・小児)

傷病者に意識がある場合

まず、これからのどに詰まったものを取るための処置をすることを伝えて下さい。方法はハイムリッヒ法(腹部突き上げ法)と背部叩打法を行います。二つの方法はその場の状況に応じてやりやすい方法を実施してかまいませんが、可能であればハイムリッヒ法を優先して下さい。そして一方で効果がなければもう一方を試みて、異物が取れるか、傷病者の意識がなくなるまで続けます。

傷病者に意識がない場合

傷病者の意識がない場合やなくなった場合には心停止に対する心肺蘇生の手順に従う。


太りすぎの子供のための有病率
  • 気道を確保するたびに口の中を覗き、詰まっているものが見えて簡単に取り除けそうな場合にのみ取り除いて下さい。この時、決して指でやみくもに口の中を探ってはいけません。なぜなら異物をさらに奥へ押し込む可能性があるからです。
  • 人工呼吸で胸が上下に動いていない場合は、気道確保をやり直してもう一度人工呼吸を行います。これで胸が上がらなくても次の胸骨圧迫に進んで下さい。これは胸骨圧迫によって異物が移動して取り除ける可能性があるためです。

窒息(乳児)

傷病者に意識がある場合

乳児の場合は腹部臓器損傷の危険性が高いためハイムリッヒ法(腹部突き上げ法)を行わず、背部叩打法と胸部突き上げ法を併用します。目的は窒息を解除するためなので、各々の回数や順序は問いません。
背部叩打法では、救助者の手の上に乳児の胸を乗せ、うつぶせにし、手のひらで乳児の顔を支え頭が胴体より下がった姿勢にします。そして手のひらの付け根で、背中の中央部を数回強く叩きます。胸部突き上げ法は乳児の顔を上に向けて頭を下げ、人差し指と中指を使って胸の中央部分を上に向かって数回強く圧迫します。それぞれの方法の間に口の中を調べ、詰まっているものが見えたらそれを取り除いて下さい。


背部叩打法

胸部突き上げ法


傷病者に意識がない場合

成人・小児の場合と同様で、通常の心肺蘇生の手順を開始します。気道を確保するたびに口の中を覗き、詰まっているものが見えて簡単に取り除けそうな場合にのみ取り除いて下さい。傷病者が小児・乳児の場合、救助者が一人で周りに誰もいない時には、胸骨圧迫30回と人工呼吸2回を5サイクル(2分間)行ってからその場を離れ、応援・救急車要請を行うことが望ましいとされます。

注意
窒息の応急手当として、掃除機を使って詰まったものを吸い取る方法を聞いたことがありますか?実際に、餅を詰まらせて窒息した方に掃除機を用いて餅を吸い取ったという事例がありますが、実は医学的根拠に乏しく、正しい応急手当とは言えません。そればかりか、慌てて掃除機を持ってきて使用できるようにする時間のロスを考えると、一刻も早く正しい応急手当を施した方が良いことは明らかでしょう。

  • 監修

    佐々木 亮先生
    国立国際医療センター戸山病院 救急科



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